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「それじゃエロ漫画じゃなくね……タイトル矛盾してんじゃん」
疑わし気にモニターへ首を伸ばすと「年齢制限のかかるエロシーンは別途年齢制限を設けたアカウントで有料配信」との記述があった。商売上手すぎる。まあでも、そりゃそうか……。18禁シーンを無料で公開してしまえば、スポンサーもつかないだろうから当然といえば当然だ。しかし、そうなるとますます疑問が残る。
「勝ち目がない勝負になんで僕が推薦されるのさ」
桃プリの嫌がらせか?
もういちど頭の企画意図から読み直す。作家の発掘、エロ漫画(ただしエロなし。意味不明)収録ⅤTRを生放送チャンネルで流し、アンケート機能を利用してリアルタイムで投票を行う。スポンサー予定に名だたるエロ漫画界の雑誌、ウェブサイトが名を連ねていて驚いた。
メールは「あんまきんぬ先生の前向きなご検討をお待ちしております」という言葉で〆られている。串田の署名と併せて、それはまるで「あなたはもう少し頑張る権利があるんですよ」と女神からの天啓を受けたようだった。
鼻の奥がツンとして、じわりと天木の目には涙がにじむ。
「若女将を愛してないわけじゃなかったんだよ……。自分の力不足で……星1がっ、うっうわああ」
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