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涙だけじゃなくて鼻水も、こらえていた感情も全部が堰を切ったようにこぼれた。素早いタイピングで承諾のメールを返送する。もう、やけっぱちだ。やっぱり僕は、漫画で評価されたい。僕の大好きなものにいいねがほしい。大好きなものを大切にして死にたい。酔っているわけでもないのにいつになく情緒不安定になった。
「運命の女神は前髪しか……うあああっ」
勢いでオナニー配信アカウントも削除した。さよなら僕の黒歴史。全部、全部消した。やるなら徹底的にだ。ツイッターの愚痴アカウントも消した。
残ったのはさんざんな既刊の評価が並ぶペンネーム「あんまきぬん」と、〈心機一転〉と呟いた作家名義のツイッター、たったふたつだ。
※注意
その夜、泣きつかれた天木の体は泥のように重かった。今日から配信はしない。物理的に無職――少なくとも収録の返事がくるまで――の天木はしばし呆然と天井を見上げたあと、右手をそろそろとスウェットの中にある性器へと伸ばした。
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