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桃プリの名前を怒りに任せてGoogle検索にぶち込んだらば、きらきらインスタグラムが出てきてしまい、目の前が霞んだ。かすみ目もここまで来たか。小さく舌打ちをして目をこすった。まだ若い――二〇代なのに、パソコンのまわりには赤い目薬の空容器が何個も転がっている。
「くっそ、ウレウレ高評価作家のくせに……高身長イケメン、高収入……令和に3高とかまだ存在したのかよ……クソがクソが」
しかも都内タワマン住み。消えろ。リア充は死ね。インスタグラムにアップされた桃プリの後頭部の写真には「桃太郎プリンス先生、いつもありがとうございます♪ おいしいフルーツサンドの差し入れスタッフみんな喜んでいます~」とあった。いいね2万件。ハッシュタグにある謎の言葉「センターパート」は、天木にとって駅前のさびれたアーケードの名前にしか思えない。エクストラトリートメントはなんか強いリンスなのだろうか。
「……は?」
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