1.底辺エロ漫画家

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 ネガティブなツイートには案の定なんの反応もつかなかった。若女将がにっこり笑うひとコマがプロフィールアイコンに設定されている。見慣れたその顔を見ると、その横についていた星1のアイコンがフラッシュバックして、こっそりツイートを削除した。  新進気鋭の売れっ子作家である桃プリ先生が宣伝してくれたとはいえ、それだけで売上やアンケが変わることはない。天木はデビュー以来三年間、相変わらずの低空飛行を続けていた。  ソシャゲの二次創作でスカウトされて始めたエロ漫画の業だったが、エロシーンありの男女漫画を描くのは意外と性に合っていて、天木はそれなりに楽しんで創作活動を行っていた。ただ、ひとつ問題なのが――。  売れないのだ。  それはもう担当がビックリするほど。今冷静に考えれば、担当がスカウトしてきたんだから自分と担当の間では(ここ大事)性癖に合った漫画になるのは当たり前だった。
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