プロローグ

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USBをもらい、柑太の前にあるPCに差し込む。 USBの中には須賀田柑太への苦情と名付けられたファイルとmovファイルが複数入っていた。 何も悩まず、movファイルをクリックする。 そこには女が周りに対して一生懸命何かを伝えていた。 普通に聞いている人、戸惑っている人、怒っている人。 受け答え方は賛否両論。 ただ、みんな断っていた。 誰一人、女に賛同するような感じではない。 さっさと逃げるように去る人が多い。 「困ったね」 柑太は前屈みになっていた体勢を深く椅子に座る。 「努力や頑張りは認めるけど、一度味わったものがよかったからって、人に勧める。必ずしもみんな一緒になるわけではないのだから、もう少し考えてほしいなぁ。人生を強制?、強要?、しているようなもんでしょう」 柑太はイライラしていた。 「何か、昔あったんですか?」 サキは聞く。 「ああ、こういう人たちしつこいから嫌なの。思い出す」 サキはクスクスと笑っていた。 「押しが弱い僕はすぐに賛同してしまいそうだ。で、柑太さんはしつこく誘われたのに賛同しなかったんですか?」 「2度も頑固な性格が勝ったから、耳を傾けることはしなかった」 ウィルは柑太の発言にすごいと言う。
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