1人が本棚に入れています
本棚に追加
USBをもらい、柑太の前にあるPCに差し込む。
USBの中には須賀田柑太への苦情と名付けられたファイルとmovファイルが複数入っていた。
何も悩まず、movファイルをクリックする。
そこには女が周りに対して一生懸命何かを伝えていた。
普通に聞いている人、戸惑っている人、怒っている人。
受け答え方は賛否両論。
ただ、みんな断っていた。
誰一人、女に賛同するような感じではない。
さっさと逃げるように去る人が多い。
「困ったね」
柑太は前屈みになっていた体勢を深く椅子に座る。
「努力や頑張りは認めるけど、一度味わったものがよかったからって、人に勧める。必ずしもみんな一緒になるわけではないのだから、もう少し考えてほしいなぁ。人生を強制?、強要?、しているようなもんでしょう」
柑太はイライラしていた。
「何か、昔あったんですか?」
サキは聞く。
「ああ、こういう人たちしつこいから嫌なの。思い出す」
サキはクスクスと笑っていた。
「押しが弱い僕はすぐに賛同してしまいそうだ。で、柑太さんはしつこく誘われたのに賛同しなかったんですか?」
「2度も頑固な性格が勝ったから、耳を傾けることはしなかった」
ウィルは柑太の発言にすごいと言う。
最初のコメントを投稿しよう!