闇を照らす、光。

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澄んだ空気、空に近い場所。 普段よりはっきり見える天の川からせせらぎさえ聞こえて来そうで。 初めは他愛もない話をしながら歩いた。 疲れもあって途中から一言も発さず、ただ足を前へと進めて、ようやく山頂に辿り着いた。 達成感はない。登り切るのが目的ではないし、まだ下山も残っている。 低い気温に包まれて、感覚が鋭くなっている気がする。 序盤の頃の会話を思い出す。 ペットの話が出た。そうだ、猫を飼っている人がいた。その猫はこれからどうなるんだろう。聞かないほうがいいか。 暗い大地を見下ろして、樹海や湖が何処か探してみる。 居場所の限られる山頂付近に多くの人の姿がある。 お互いを知らず立場も違いながら、同じく御来光を待っている。 自分たちのグループは5人。 これから集団自殺をする予定になっている。 最後に各自のやりたい事に付き合おうとなり、これが5人目の分。 途中で気が変わったらグループから抜けていい約束もしてある。 御来光を目に、何か思うのだろうか。 あと少しすれば分かる。 遠くの空の色が変わり始めた。
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