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見える景色はどこにでもいる家族の風景だった
仲睦まじい夫婦とその子供彼らの顔は幸せそうでとても……見るに堪えなかった。
それをとある少女は上から見下ろすように見ていた。
彼女は人ではない『死神』と呼ばれるもの達である。
それらは人より上の最上位存在『カミ』と呼ばれる存在により
『選別』という形で魂の『間引き』を任されている
彼らの仕事は間引きされるべき魂を刈り取ることである 上位存在である彼らには感情というものがなく3大欲求も存在しない。
そんな彼らからすれば人々が見せる愛のカタチは理解できないだろう
その少女も同じだった……いや、少し違うかもしれないそもそも彼らは性行為を必要としないなぜなら誕生は偶発的であり必然であるからだ
しかその少女は他の『死神』と違い感情があった
もちろん3大欲求も存在するしかし肉体は上位存在である、しかしそんな周りと違う少女に他の死神達は何も思わない、感情が無いからだ
彼らには『嫌悪』という感情も無いのである。
これが魂のあるものたちならば自分達と違う存在を忌避し迫害するだろう。それが人々で言う
『いじめ』という形で現在も行われている
少女が見下ろす先には今回『選別』された
家族が仲睦まじく子供の誕生日だろうか
祝っているのが見える、通常『死神』たちはその光景に何も思わない、しかしその少女は違った
(憎らしい、羨ましい、妬み、、嫉み、僻み、)
そう言ったそんな感情が少女を包んでいた、
そしてこの日彼女は死神が犯してはいけない禁忌を
犯してしまう。本来死神は選別された魂のみを借りとることしかできない
これは彼らの上位存在である『カミ』が決めたルールにおける第1ヶ条である選別された魂以外を刈り取ることを禁ずと書かれている
それを破りその少女は本来『選別 』の対象であった
少年ではなくその両親の魂を刈り取ってしまったのである
これは死神少女と家族を殺された少年が織り成す
物語である……
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