コロナがやってきた(母編)

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コロナがやってきた(母編)

最初の決断。 受診は、周りに迷惑かけるので、即、訪問診療してもらってる内科の先生に電話。 その日に行ってくれた(ありがたい) 第2の決断。 薬をどうするか問題。 「コロナのお薬だしましょうか。」(私の時は解熱剤しかもらえんかったけど。) 「高齢なので飲んどいた方がいいと思いますよ。」 「高いですけど。」(やっぱりー!) そう、今は補助が終わってコロナでもすべてが高いのだ。 「まあそうですよねー。10,000円くらいっていわれてますもんね。」 「15000円くらいですかね。」(ひぇー!) しかも10粒弱だ。 おそるべし今までの補助金(まあもとは税金) 「でも高齢者は重症化しやすいですからね。」(知ってるよ) 「飲んでおいた方がいいと思いますよ。」(私もそう思うよ) 「(10粒15000円)よろしくお願いします。」(解熱剤なら500円?しつこい。) 収入が少ない高齢者や家族だったら、 「しばらく考えさせてください」と、言わざるをえない金額だ。 それは、見捨てるとかそういう問題でもない。 あとは、薬をきちんと飲めるか問題。 「最初の1回は3錠で、あとは1日1回です。」(複雑で母には無理やん) 「薬局の人に持って行ってもらいますね。今から準備するので6時くらいになると思います。」 ケアマネさんに確認したら、なんとヘルパーさんは入ってくれる! ありがとーーー!(車の中で叫んだ) でも、訪問は5時だし間に合わないー! そこへ、薬剤師さんから救いの電話が、 「夕方にお薬持って行くんですけど、お母さまは伝えたらきちんと自分で飲めますかね。」 「無理です。」(即答) 玄関で伝えても、居間にもどれば忘れてる。 「そしたら、目の前で飲んでもらいますね。」(薬剤師さんありがとうーー!) そして、皆さんのおかげで無事15000円(しつこい)飲み切りました! そのおかげ?で、母も重症化することなく、5日程度で症状は落ち着きました。 いろんなスタッフさんのおかげです。 薬は命を助けることができるかもしれないけど、生活は助けられません。 「生きる」ことを助けてくれたのは、在宅スタッフのみなさん。 すぐに往診にいってくれて、 いつもどおりヘルパーさんが行ってくれて、 薬剤師さんが薬を飲ませてくれて、 そのほかの方もメールで様子を知らせてくれたり、いつでも困ったら連絡をとメールしてくれたり、直接支援も後方支援もばっちり! 薬を飲んだだけでは、生きてはいけないのだ。 最初、お医者さんから、 「お母さん、ご飯だけでなく、水分もあまりとれてないみたいです。ご家族の支援が難しければ(姉のことも知ってる)社会的入院もできますけど。」と言われた。 ◯介護まめ知識。「社会的入院」 医学的には入院の必要がなく、在宅での療養が可能であるにもかかわらず、ケアの担い手がいないなど家庭の事情による入院。 うちの病院にもたーくさんおられる。 そういう事情で入院となってることを理解できず、 「病気でもないのにこんなとこ入れて警察呼ぶで!」と言われたり、逆に、「もう家に帰りたくないわ。」と言う方もちらほら。 ただコロナになった患者さんはえらい目にあう。 隔離だ。 コロナでしんどい上に、見知らぬ部屋に閉じ込められて、部屋に来た人はへんな格好(感染対策のマスク+ゴーグル+エプロン+手袋ね)してて怪しいし。 そして、10日間は隔離されるので(日数は病院による)、ちょっと元気になっても出られない。 部屋から出たら訳もわからず戻される。 「もう元気やのになんででたらあかんのや!」 (そりゃそうなる) 病院は、多数を守るために、1人の行動を制限せざるをえないのだ。 認知症の高齢者なら、さらに認知症はすすみ、狭い部屋の中だし動けないから足腰は弱る。 コロナは治るけど.....。 うちも父と姉が感染対策や母の世話が出来ないから「社会的入院」の対象にはなるのだ。(提案してくれるお医者さんはありがたい。) ただ仕事で現実をみてるので、在宅治療を選択した(急変のリスクはもちろんあるけど) いろんな決断を重ねた。 私も2日間は泊まりに。 コロナ4日目、 玄関の花が変わってた。 母の昔からの習慣だ。 足がヨレヨレで床をずり這いで移動してるのに、 自分はお風呂も長く入ってないのに、 玄関と仏壇のお花は交換したのだ。 入院しなくてよかった。 f1f24954-59c8-4ac6-8dc1-d7e00a40d2dc 玄関のお花(コップは父のだけど) e268e733-80d9-4b46-bff3-40c9ade378a6 コタツから出たぞ。  
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