30人が本棚に入れています
本棚に追加
コロナがやってきた(父編)
訪問看護師さんから電話。
「お父さまから電話があって、お母さまがしんどそうだから見に来てほしいと言われたんです。往診の先生の番号と間違えたのかと。」
ややこしいのだが、往診の先生とは両親とも契約してるが、訪問看護師さんとの契約は父だけだ。(そんなん理解できんよね)
でも、父が電話をしたことにびっくり。(緊急連絡先を電話のところに貼り出してるが誰も見てなかった)
よくそこにかけれたな。
やればできるやん。
病気の母を心配する気持ちにちょっと感動。
が、翌日実家に行くと、
「お母さんのせいでな、デイを途中で帰らされたんや。」(感動を返せ)
「コロナだからしかたないよ。」
「そんなえらいんか?たいしたことないやろ。」
そう、父は自分がいつも元気だから病人の気持ちにうとい。かなり。
母の発症前に、父が1日中寝てた時があったが、あれがアレやったんかと思うが、自覚がないから
本人は、自分がもしかして移したかも?とかまったくない。
「よく寝てたし、もう治ったんちゃうか?」(ずっとテレビ見ててコロナが何かわからんか)
「ごはんある?」(まんじゅう食っとけ)
「おまえがなんでもらやってくれてるからお母さんなんもせんくてええから楽やな」(キレるで)
「お母さんはコロナでしんどいの!どうして病気の人の気持ちがわからんのかな!!」(さすがに私がキレた)
「そんなんわからんわ。」(おわったな)
めずらしく私が怒ったのが伝わったのか大人しくなった。
しばらくして、
「暇やしなんかやることないか?」(反省したか)
かと言って父が出来る家事が思いつかない。
「うーん。洗濯物たたんで。」
「お母さん、洗濯物たたむんやって。」(あなたがです)
ほぼやったことないし、テレビ見たり、喋ってるからまったくすすんでない。(まあ暇がなくなるからええか)
「それお父さん、袖が逆よ。お父さん!」
コタツで寝てた母(隔離できず)がむくっと起きて指導がはいった。
「難しいんや。お母さんに怒られたわ。」
「裏表が逆でしょ!貸して!」(取り上げたで)
「まあ、お父さんもなんか手伝いたいっていってるからやらしてあげてよ。」
「まあ、いいけど.....」
そして、母は父の隣に行き畳み方の指導。(隔離どころか密着やん)
パチリと写真をとり、親戚のおばさんへLINE。
「微笑ましいわね」と返信。
ケンカしつつ、コロナの母が父を指導しているとは思えない写真のできあがり。
マスクはもちろんなし(たぶん10回目くらい言って諦めた。)
そうなれば換気?(夕方6時に母が雨戸を閉めてしまった。昔からの習慣だ。換気ゼロ。)
結局、今回の感染対策は、私だけ医療用マスクをしてただけ.....。
「ちょっと出てくるわ。寝ててもいいよ。」
そして、私は感染対策のため、ひとり外に飲みに行ったのだった。
借りたい猫の手が......ない!
最初のコメントを投稿しよう!