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私は一年生の有働さんと組んだ。一番背が高く、ミドルブロッカー有望な彼女は、入部当初は私と一緒に外周を走っていた。
「正直、私なんて背が高いだけなんです。うどの大木なんです。苗字も『うどう』だし......。でも、キャプテン見てたら頑張らなきゃって......」
「うん、一緒に頑張ろう。私にだってできたから、大丈夫だよ」
もじもじしていた有働さんは、肩を叩いた私にはにかんで頷いた。
「ブロックも最初は怖いと思うかもしれないけど、私、須王君にいいこと聞いたんだ」
有働さんの向こうに、須王君の姿が見える。私たちはボールを置いて向かい合い、ハイタッチした。
彼と練習した初日、ぺたんと手のひらを合わせたように。
〈おわり〉
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