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ミドルブロッカーの私は前衛の真ん中に立ち、両手を上げて立ち塞がった。
笛の音に次ぎ、サーブでボールを弾く音が体育館に響く。後ろから飛んできたボールは簡単に相手のリベロに拾われてセッターへと返った。
4番が来る。
完全にマークしていた。
以前なら怖くて足がすくんでいたアタックも、《ハイタッチ》だ。あれからもずっと須王君と練習してきた。
大きく開いた右手がシャットアウトして、ボールは強い勢いのまま相手コートに落ちた。
「キャプテン!」
握り締めた拳を開き、私は振り返って仲間と本当の《ハイタッチ》をした。
「頼り甲斐あっていいやん!」
御影さんが笑う。
横山さん......は、プイと顔を背けた。
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