秘密の練習

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 キャプテンになってから3ヶ月。二学期の始め。春高バレーに向けて、改めてレギュラーとポジションが発表された。  2年生4人と、1年生2人。  私が入るわけはなかったけれど、「もしかしたら」と心のどこかで思っていたのか。発表の後は思いの外、脱力感があった。  あれから夏休みの終わりまで、御影さんとは毎回組んで練習していたし、亮君とも毎週末は決まって一緒に練習メニューを考えていた。監督も私が準備した動画を見て、許可を与えてくれていた。  前と違って、ちゃんと部員としてやっている自覚はある。 「キャプテンなのに補欠とか。恥ずかしいよね。もしかして、ちょっとでも選ばれる気がしてた?」  横山さんと二人は相変わらず私を馬鹿にする。胸の内を見透かされ、恥ずかしさに顔と胸が熱くなった。 「次は、ちゃんと試合形式の練習メニュー考えてくるから」 「悪いね。試合に出れない人にお願いして。まあ平井君(男バレのキャプテン)が決めてるんだろうけど」  ......ぐうの音も出ない。
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