38人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
中空に上がるボールを、体育館にいる全員の目が追った。床を擦るシューズの音と、「はい!」とトスの意志を表すセッターの声。
それは相手チームのチャンスボール。十分な助走をつけて、エースが高く飛び上がった。
「キャプテン!」
背中に受ける、チームメイトの悲鳴。
私はタイミングを合わせて跳び上がり、長い両手をグンと伸ばした。
ーー『防御じゃなくて、《ハイタッチ》してると思えばいい』
スパイクを打つ激しい音が響き渡った。
最初のコメントを投稿しよう!