#1 TAKUBO

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 吉田の瞳が、キラリと光る。その瞬間を笑が見逃すはずはなく。立て板に水が流れるがごとく、クロージング台詞で畳みかけた。 「惣菜部より応用の効く調理レシピを添えておきますので、お受け取りされる先様も参考されやすいかと存じますが……いかがなさいますか?」 「それは……助かるわね。じゃあ、お願いしようかしら。地下一階で買えばいいの?」 「差し支えなければ、私にご案内させていただけませんか。吉田様のご希望する御品をご一緒に選ばせていただけましたら、お間違いはないかと」 「そうね、そうしてくださる?」 「かしこまりました、ありがとうございます。では、参りましょう!」  数分前とは別人のように和かな態度の吉田をエスコートし、笑は最上階から再び地下へと潜るエレベーターへと消えていった。 * 「鮮やか~……」  持ち場へ戻ったはずの新旧アルバイト二人組が、再びカウンター上の端末機器の陰から顔を出す。笑のクレーム客対応に感心の声を上げる新人・新田に、またもや古参アルバイト・古本が知りうる情報を講義(レクチャー)した。 「五年前の首席入社ツートップの一人らしいからね、田窪さんは」
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