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チュンチュンという子鳥のさえずりで目を覚ます。何処かの庭のようで、辺りは花で囲まれていて目の前には白い優雅なティータイムとかに出てきそうな机があった。その上には白地に青い模様の入った高そうなティーセットがあってカップの中身は空になっている。
俺はまだぼんやりする意識の中片手で顔を覆おうと思って顔の前に手を持ってきてハッとした。白の手袋をしていて視線を下ろせば腹が見えないほどの脂肪の塊がぶら下がっているし、サラッと白い髪が視界に入る。
そっと大事な所に触れれば俺の物が消えている…何度触っても無くて、俺は記憶を手繰り寄せた。ゲームやってて触手に引き込まれて…そんでどうしてこうなった??
「エル!ここに居たのですか!早く準備なさいと言ったでしょうグズな子ね!!」
「えーっと…あんた…誰だ?」
オレンジがかった茶色のふわっとした腰まである髪の茶色い瞳のヒステリックっぽい女がいた。胸元の開いた赤いドレスを着ていて、俺をグズ呼びしてるって事は俺より地位の高いやつ?まぁ地位は負けても胸囲は勝った。
しかし俺が喋る声も随分可愛らしくなっちまって…凄みとか出せそうにないな。
「姉に向かってあんたとは何事ですの!?とにかく早くなさい王子達がいらっしゃるのよ!!」
「え?ちょっマジでわかんない…」
俺が困惑していてもお構い無しに手首を掴んで引っ張られる。マジか抵抗してるのにビクともしないぞ?どんだけこの体貧弱なんだよ!
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