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ガクトはせんべいを食べていた手を…あっ…Tシャツで拭いたよね…まあいいか…部屋着なんだし…と見ている私に向かって背筋を伸ばして座り直すと
「カオルちゃん…実は…」
膝に手を置いたようだ。
「そこで溜めないで…一思いにヤっちゃおうか」
「ヤる?」
「言うってこと」
「…ああ…実は…カオルちゃん…俺…カオルちゃんのこと…前からいいなって…思っていたんだよね…」
かしこまって言われるほどのことだった?と、ガクトの言葉を考えてみる。
「前からって時制がわからないなぁ…」
「はい…そこが告白のポイントです」
「…そうなの?」
「うん」
「ということは…うちに来る前からってこと?」
「…恥ずかしながら…そうです」
「ぶっ…体くねくねしないでよ。ってか、する場面でもないでしょ?」
「照れていることアピール?」
「可愛く小首を傾げるの禁止。で?うちに来る前にダイニングバーで私を見たことがあったってことが告白内容?くねくねで頭に入ってこないよ」
「日本語だよ?よく聞いて」
「くねくねしなかったら大丈夫」
「俺は見たことがあったとは言わなかったでしょ?いいなって思っていたんだよ…あんだーすたんど?」
「…日本語で貫いてよ…いいなって…ダイニングバー以外で会ってたっけ?」
「のー」
かしこまっているかと思えば一瞬で緩くなるガクトと話すのは心地よい。
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