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何もかも見透かしているかのように、カエデは将也に確認をする。そっと頷くとカエデは続ける。
「大丈夫だよ。……あ、名前は?」
「加藤です。加藤将也」
「将也くんが見てんのと同じだと思うけど? なあ、逆にプライベートってどう? どんな?」
軽く唸って、額に手を当てて考える。
「…優しい、かなぁ。 っちゅうより、過保護な感じ」
「過保護なんだ?」
「うん。結構過保護で。俺がドンくさいんもあかんのですけど、心配症なとこあるて言うか……」
そこまで何となく口にしてから、はっとして口を押さえる。カエデがどこまで知っているのかはわからない。同居人だと思っているのか、恋人だとわかっているのか。
「知ってる。知ってる、平気」
カエデは頬杖をついて煙草を取り出しながら将也をなだめる。が、将也の鼓動は急速に速くなる。
「知っとるって…」
「ケイちゃんから聞いてる。だけど、詳しいことは絶対に話さないから、気になっててさ」
くわえた煙草に火を点け、煙を吐き出す。
「だから、安心して喋って下さいな。別にどうこう思ってないから」
「そう、ですか?」
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