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テレビの画面いっぱいに、覆面をした、男か女か分からない人物が映っていた。
その人物は、言った。
「私は、怪盗ネイビーだ。『見知らぬ恋人』は、預かった。返してほしければ、眠りの国から来た、夫の刑事が、国会図書館まで来い。待っているぞ」
そう、告げて、画面はネイビー色になった。
夫の刑事さんが、厳しい顔で言った。
「私が、行きます。必ず、『見知らぬ恋人』は、取り戻してみせます。……実は、『見知らぬ恋人』の作者は、私の妻なんです」
「えええっ?!」
ぼくは、驚いた。
夫の刑事さんは、凛々しい表情で、言った。
「では、国会図書館まで、行って来ます」
「ぼくも行きます!」
ぼくは、同行を願い出た。
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