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ある日。コウメがボヨンとベッドにうつ伏せになったとき、ゲホッと大きなゲップとともに、おたまじゃくし大の黒いものがスポッと飛び出した。
「あたたた。やべっ見つかった!」
「うひゃッ! な、何これッ」
コウメは驚き、手巻き寿司の具みたいにゴロンと転がった。
「えっと〜。は、はじめまして、ご主人様。私は腹の虫のリーダーです」
リーダーと名乗るその黒い物体は、ペコリと頭を下げ自己紹介をした。話によると、腹の虫の仲間はコウメの中に五百匹ほど存在し、連日祭りのように賑わっているという。
リーダーの話によると、腹の虫は本来人間にとって重要な役割をもつ。腹の虫は通常どんな人の腹にも五十匹ほど存在し、体調管理のサポートをする。体調の維持管理を促すため、規則正しい食生活を腹の中から人間に向けて呼びかけ応援するのだそうだ。
……というのは建前で、あれよあれよと体内に入ってきた食物を、腹の虫も一緒になって味わい生き延びる、単純な生き物である。
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