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第二のターゲット
マチエで大満足したコウメは、残りの三十を消化するために次を探した。
「おーい六川。日直だよな。昼飯終わったら資料箱二つ、職員室まで取りに来て」
今日の日直は館林トウヤと六川カスミ。カスミはコウメと弁当を食べるメンバーだ。
「ねぇ館林くん。一緒に取りに行こ」
「や、呼ばれたの俺じゃねぇし」
「だって私たち日直ーー」
「一人でも出来んだろ」
大人しいカスミは館林に何も言い返せない。職員室まで二往復。納得のいかない顔で弁当袋を手にとった。
「屋上……行こっか」
コウメの抑揚のない誘いに、カスミたちはうんと頷き屋上に向かう。今日は風が冷やりとした。日差しは暖かいが、屋上には遮るものがないから風がまともに顔にくる。顔の凹凸なんて大して変わらないのに、いつも鼻の頭だけがうんと冷たい。
「ひゃあ、こっち向きで食べよ」
三人は風に背を向けるようにして座った。
「ねぇ、館林にやってもらわなくていいの?」
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