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「あ、これ知ってる! 発売したばかりよね」
プラの箱に苺のクッキーが五個。けれどひとつだけ違う列に置かれている。
「えっ、いいの? これ美味しいんだよッ! 一個もらうね」
グループのひとりが言った。それに続いて他のメンバーも次々と手を出す。最後になって、違う列にあったクッキーを、コウメは「ハイ」とマチエに近づけた。
「ありがと。私も今度何か持ってくるね」
そんなマチエに笑顔で返し、クッキーに口をつけたことを確認すると、コウメは背を向け俄かに笑った。
午後の授業が始まった。頭のいいやつは前列を陣取るように並んでいる。四時間目五時間目と過ぎていき、そしてそれは六時間目のテストのときに起こった。
ぐうぅぅ〜う。
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