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マチエは体だけでなく雰囲気もガラリと変わった。クラスメイトはあまりにも膨らんだ姿にショックを受ける一方、コウメは予想外の出来映えに小さくガッツポーズした。
「リーダー、いる?」
「お呼びでしょうか、コウメ様」
「この間はありがと。思いの外上手くいったわ。これでもうマチエは終わりよ」
「それはよろしゅうございました。コウメ様のお役に立てて良かったです」
そもそも腹の虫との出会いは一年前。コウメが中学三年の秋頃だった。
「コウメーー。おかわりはその辺にしとけ。俺の分がなくなる」
「お兄ちゃん、ズルい。さっき丼食べたのに」
「俺は柔道に必要なエネルギーを蓄えてるんだから仕方ないだろう。お前こそ今のうちに痩せとかないと、来年高校行って友達も彼氏もできないぞ」
「えぇ〜っ。お腹減ってるのにぃ」
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