変えられない、現実

11/19
32人が本棚に入れています
本棚に追加
/327ページ
「いったーーい!」 夜。 アパートに1人暮らしなので、いつも通り夕飯の支度をしていた。 食欲もないんだけど、何か食べなきゃね。 そう思って簡単な冷麺を食べようと、それに添えるお野菜を切っていたのだけど。 見事にその包丁は野菜ではなく、私の指を切ってくれていた。 「んーっ 絆創膏 絆創膏…」 切り傷から溢れる血液がこぼれないように指を口にくわえながら、リビングに駆け込んで絆創膏を探した。 ところが、爪切りなんかが入ってる引き出しを開けてガサガサ探してみるのだけど、なかなか絆創膏の箱が手に当たらない。 「あれ?ないの?」 ナースの癖に、家に絆創膏もないなんて笑っちゃう。 「はぁ…買いに行かなきゃ…」 仕方ない。 途中だけど夕飯の準備も手を止めて、私は近くのコンビニまで絆創膏を買いに出かける事にした。
/327ページ

最初のコメントを投稿しよう!