突然の別れ 決別

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しばらくベッドにいた後、私はゆっくりと診察室を出た。 それからノロノロと病院を出て、自分のアパートへと帰る。 どの道をどのように帰ったかなんて、覚えていない。 ただ気が付くと家に着いていて、リビングに力なく座り込んだままでいたんだ。 「……」 今日の勤務は欠勤扱いって言ってた。 明日は確か、元々の休みの日。 その次の火曜日は仕事だけど… 解雇って事は、もう来ちゃいけないのかな。 火曜日なら、美東先生の診察日だ。 週に2回の、会える確率の高い診察日。 美東先生の連絡先も知らないままだから…これであの病院を辞めたら、もう二度と美東先生に会えなくなるって事なんだ…。 「……違う」 私ともう会えなくなるようにする為だ。 それは、美東先生の意志で決めた事なんだ…!
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