突然の別れ 決別

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「あ…えっと…」 美東先生には解雇なんて言われたけど、実際どんな風に処理をされたのかは私も知らない。 そもそも今日も仕事に来て良かったのかも、わからなかったしね。 「準夜勤の後、帰る時に倒れたそうね。 たまたま美東先生が見つけて処置してくれたから良かったけれど、前も似たような事があったわね。 身体が弱いから退職に…て事かしら?」 「あー…」 さすがに理由までは聞いていないようだけど、だからって私がどう説明したらいいのかわからない。 まさか、美東先生にフられたのでクビになりました、なんて言えないしね…。 「本当ならもうずっと欠勤扱いにして、退職は今月末でって事らしいけど。 本人さえ良ければ、なるべく出てもらえるようにしてほしいって看護部長にも言ってあるの。 桜庭さん、どうなの?」 「…はい、もちろんです」 解雇は今月末になってるんだ。 …よかった。 それならまだ日にちがあるから、間に合うかもしれない。
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