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不気味な管理棟の階段を2階 3階、4階へと上がる。
美東先生と同じで、彼もまた神出鬼没でミステリアスなヴァンパイア。
どこに行けば必ず会えるなんて保証はないんだけど。
でももし会えるとするならば、やっぱり4階のような気がしたの。
薄暗い廊下をまっすぐ歩いて行き、“院長室”と書かれたプレートのドアの前に立った。
あの夜、彼はここを待ち合わせに指定してきた。
だからって何の約束もしていないのに、いつもそこにいるわけないってのはわかっている。
「………………」
私はそっとドアノブに手をかけると、ゆっくりと捻った。
………っ
途中引っかかりがあって、ノブは全部回りきらなかった。
鍵が、かかっているという事だ。
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