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それから数日。
仕事がないのと大失恋な毎日に、殆どを外に出る事なく家の中で過ごしていた。
「あ、薬…」
美東先生のお父さんに血を飲まれた後、処方された増血剤がこれでなくなった。
血が足らなくて立ちくらみや息切れなんかがあったけれど、今ではもうすっかり治ってそんな事もなくなった。
「はぁぁ…」
新月の日以降、何回か1人で夜を過ごしたけれど、真夜中に私の血を狙ってアパートに侵入してきた…という事もない。
あの病院を離れた事で、美東先生のお父さんが夜な夜な襲いに来るとか、そういう事はなかった。
これで美東先生の思惑通り、私は守られたよ。
…いつかの速水さんと、同じようにね。
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