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深夜も、3時をまわった頃。
3交代制なうちの病院では、夜勤でも仮眠時間は設けられていない。
特に危篤な患者さんもいない今夜はこんな時間が一番落ち着いていて、軽い食事などのような休憩をとったりするようだった。
「あ…私、食べ物とか何も用意していなくって…」
仕事に入る前にコンビニに寄ったものの、あんパンとミルクぐらいしか買わなかった。
まさか食事をとるような休憩があると思わなかったよ…。
「大丈夫よ、桜庭さん。
ほら、私のサンドイッチ分けてあげるから」
「わ。
いいんですか?」
「いいのいいの。
少し多めに用意してたからね」
まだ全然把握していない初めての夜勤に、岡崎さんは優しくしてくれた。
そして戴いたサンドイッチを食べながら、私はこの病院の変な噂話みたいなものを教えてもらった。
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