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そして、行き着く先はやはり――
「よもや、また……」
「なんか、分かったのか? 教えてくれ、何か方法があるんだろう!?」
「あいや。ウォルターさんすまないが……私もこの症状が示す病には心当たりがない」
「なんだ、って。なら……ならどうしろって言うんだ! このまま苦しんで死ねば良いとでも言うのかふざけるな!」
「そうは言ってない! きっと、まだ何か方法があるはずだ……私も一緒に探すことを約束しよう」
しかし怒りと悲しみに混濁した目はイーサンを貫き、もどかしく震える手は瞬く間に彼の胸ぐらを掴み上げた。
「あんたは医者だろうが、分からないのかこれがなんの病なのか! こんなにも苦しんでいるんだぞ……!」
「やめなさいっ落ち着くんだ。分かっている私だって苦しんでいることくらい、それでも――」
「ならどうしてえッ!」
「それでも! 分からないものに答えを出すことなど出来やしないなぜなら私は医者だからだ!
悪魔が取り憑いたように見えていてもそうであるなどと言えるわけがない。だが、病があるのならそれもまた私の知識では及ばない。これが、現実なんだ……ウォルターさん」
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