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その後、やっと落ち着きを見せたアイリーンを確認したエドワードは、リビングでオールドグラスを片手に机へ突っ伏した。
「きっと明日の朝にはまた……本当に、アイリーンはこれを覚えてないのか。それとも俺を心配させないように、わざとそう言っているだけなのか。
あの子を引き取ったときに、幸せにしてあげよう……約束したのに。これじゃ俺は――」
エドワードの頭にアレッサの頬が重なる。
「エドワード……きっと大丈夫、全て上手くいくわ。アイリーンも頑張ってくれてる、もう少しの辛抱なのよ」
「……何も出来ないことが、悔しい。アイリーンをもし失いでもしたら、俺は……どうすれば」
アレッサとエドワードの間には子が出来なかった。
しかし今日のような酷い悪天候の下、車を走らせていると路肩に蹲る幼顔のアイリーンを見つけ、そこを二人で保護したのだ。
聞けば孤児院から逃げ出したと言う。理由はそこで常態化していた体罰だった。そのため彼らは引き取り育てることを決意した。我が子として幸せにしようと誓いを立てて……。
エドワードの目には、グラス越しの写真立てが映り込む。
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