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 考え方の違いだ。クルミの行動には、おれのようにけなすやつとアゲハのように褒めるやつがいる。どっちがマシか、おれにはわからない。しかし、バカなのには変わりない。 「ひとまず、その話は置きましょう。とりあえず、金に困ってるようなやつは……」  降参。数が多すぎる。なんだったらおれも入れてもいいくらい。 「どうした、変な顔してるね」 「なんで管理人はぼくの力を借りろといったのか、さっぱり理解できなくて」  それから話を続けたが、なんのヒントもなかった。ただ、クルミが優しくてすごいって話を一方的に聞かされたくらい。そうして、太陽が高くなる前に、アゲハは帰っていった。一人残されても困る。おれは、カーテンをいきおいよく閉めると、眠ることにした。  遮光カーテンではないので、太陽の明かりが染み込んでくる。まぶたの裏の輝きにはうんざりする。
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