1.胎 動

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 次の日、私たちは朝早くから電車に乗った。 「この間、石嶺さんと会って話をした」  それを彼に話したのがきっかけだった。  彼は血相を変えて、そこへ自分を連れて行くよう私に迫った。  私は拒んだ。今、彼女に会わせるのは得策ではないと判断した。むしろ、避けるべき行動だと思った。  今の彼なら、何をしでかすか分からない。場合によっては、人を傷つける行動を取るかもしれない。私は強く拒否した。  それでも、彼は聞かなかった。その主張は異常なくらいの熱意を有していた。  彼の真剣な眼差し。大きな声。必死さがびしびし伝わってきた。あまりの申し出に、私はとうとう折れてしまった。  そして私たちは今、石嶺さんのいる大学の門前に立っていた。
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