2.主 張

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「全ては小池が仕組んだあの事件から始まった。いや、その前からもう始まっていたんだろう。  お前たちも龍人であるはずなのに、なぜこの制度に反するような真似をするんだ?  おかげで、今日本はとんでもないことになってるんだぞ。  それが分からないのか?」  怒りを抑えながら、橘くんは話した。  時折、声が震えていた。  石嶺さんは、椅子の背もたれから身体を起し、テーブルに両肘をついた。 「間違っていたんだよ。日本が」  そう言って、鋭い眼を更に鋭利にして、続けた。
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