4.未来へ架ける橋

2/4
前へ
/119ページ
次へ
「やっとここまで来ましたね」  僕は机の上に置かれた小池さんの写真を見ながら、石嶺さんに声を掛けた。 「うん。長かったようで、早かった」  石嶺さんはシャンディーガフを飲みながら、そう言った。  現段階では、そういう提案書が出されたというだけで、まだ何も変わってはいない。  これが衆議院、参議院での議論、採択を経て、初めて公に施行される。  そうなるまでには、まだまだ時間がかかるだろう。間には選挙も控えている。  ただ、僕らが目指していたことが、大きく前に進んだことだけは確かだ。 「サークルの仲間、僕らだけになっちゃいましたね」  僕はビールを一口啜り、言った。  小池さんの事件のあと、イベントサークルは事実上活動停止となった。  それはそうだろう。  あれだけのことをしたのだから。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加