4.未来へ架ける橋

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「無くなったなら、また創ればいいよ」  石嶺さんは、いつものように淡々と言った。 「小池くんの意志を引き継いで、本当に龍人も戌神もないグループを、今度は私たちで創ればいい」  そして、石嶺さんは微笑んだ。 「今度は柳田くんが代表者でね。小池くんの気持ちを一番近くで感じてたのは、君じゃない?」  僕が代表者か。悪くないかも。  世間が変わろうとしているんだ。僕たちも変わらなきゃいけない。 「石嶺さんは、どうなんですか?代表じゃなくていいんですか?」 「私はそう言うの向いてない。あくまでもサポート役。それが性に合ってる」  そうかもしれない。素質は十分にあるんだろうけど、人には性分ってものがある。 「また新たなスタートですね」  僕はまた、小池さんの写真を見た。 「そう。新しいスタート」  石嶺さんも、写真を見つめた。  写真の中にいる小池さんは、温かい眼でこちらを見ていた。
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