3.小池修一の話

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3.小池修一の話

「『ただいま』くらい、言いなさい!」  うるせぇなぁ。  俺はその言葉を無視して、自分の部屋に入り、内側から鍵をかけた。 『ただいま』なんて言ったのは、いったいいつだ?もう思い出せない。  もう少しで、新宮理沙を落とし込めたのに、思いがけず邪魔が入った。本当にイラつくヤロウだ。あの橘ってヤツは。  ただ、相手は最上級の龍人だ。敵に回すと、あとで厄介なことになるのは目に見えてる。今日は引き下がって正解だっただろう。  俺は鞄を放り投げると、ベッドに寝転がった。俺がこんなになっちまったのも、全て龍戌制度のせいだ。
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