3.小池修一の話

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 小学生の頃は自尊心を持ちながらも、格差に関係なく、みんなと遊んだ。その集団にいる自分が誇らしかった。  中学に上がると、世界は一変した。俺は必然的に龍人限定の中高一貫校に行かされた。今まで集団の中では、割と優位に立っていた自分の位置が、底辺に格下げされた。  周りには龍人しかいなかった。俺は龍人の中では最下級だから、この学校ではとことん(しいた)げられた。  次第に友達は減った。今まで仲良くしていたヤツラも、急に横柄な態度に変わり、俺を蔑んだ。龍人の学校では、自然と階級が物を言った。  歯向かおうものなら、自分が一網打尽にされる。一度だけ、自分よりも上級にいる龍人を突き飛ばしたことがあった。そいつは母親が龍人で、俺よりも格が上だった。
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