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2.同 盟
「お前が龍人たちから受けてきた仕打ちは、きっと散々なものだったと思う。
俺も受けてきたんだよ。俺よりも上の龍人たちに」
小池さんは落ち着き払っていた。まるで全てを諦めきったような口調で、続けた。
「俺がどう跑こうが、俺は悪者にされた。元々、素行がいいわけじゃない。それでも、全て俺が悪いように仕向けられた」
僕は小池さんの目を見ながら聞いていた。小池さんも僕の目から視線を反らすことなく、語ってくれた。
「間違ってるんだよ。何もかもが。そして、お前が思ってるほど、龍人ってのは良くないんだよ」
口には出さなかったが、それでも…と僕は思った。
しかし、小池さんが言うのも一理あるのだろう。龍人の世界には、龍人しかわからない苦しみがあるのだと思う。
「修平。俺たちの仲間に入らないか?世界を変えるために、力を貸してくれないか?」
小池さんはそう言って頭を下げた。龍人から頭を下げられたのは、それが初めてだった。
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