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「マスター、いつもすいません」
小池さんはひと言、詫びを言った。
「いいってこった。ゆっくりしていきな」
40手前と思われるマスターは、それだけ言うと、そそくさと部屋から出て行った。
このメンバーは、ここの常連らしい。しかし、明らかに酒を飲みに来てるのではない。この空気…息が詰まりそうだ。
「さて、どこから話そうか」
小池さんはそう言って、たった今運ばれてきた烏龍茶を一口飲んだ。
「小池」
小池さんの隣にいた織田という人が、話を遮って言った。
「本当に信じていいのか?幼馴染みというだけで。まだ何も話してないんだろう?」
織田の言葉にはトゲがあった。俺は鼻から信用していない。そんなトゲが。
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