2.同 盟

4/7
前へ
/119ページ
次へ
「マスター、いつもすいません」  小池さんはひと言、詫びを言った。 「いいってこった。ゆっくりしていきな」  40手前と思われるマスターは、それだけ言うと、そそくさと部屋から出て行った。  このメンバーは、ここの常連らしい。しかし、明らかに酒を飲みに来てるのではない。この空気…息が詰まりそうだ。 「さて、どこから話そうか」  小池さんはそう言って、たった今運ばれてきた烏龍茶を一口飲んだ。 「小池」  小池さんの隣にいた織田という人が、話を遮って言った。 「本当に信じていいのか?幼馴染みというだけで。まだ何も話してないんだろう?」  織田の言葉にはトゲがあった。俺は鼻から信用していない。そんなトゲが。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加