2.同 盟

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「理想郷。それは龍人も戌神もない、皆が平等に生きられる世界。  建前はイベントサークルって名目で、バーベキューや釣り、サイクリングなんかをやってるけど、本当は理想郷を願う同志を集めているんだ」  小池さんの話を、他の3人は黙って聞いている。 「サークル活動での行動を観察したり、龍戌制度に対する考えをさりげなく聞いて、そこから仲間を増やしていく。  その仲間から、この真意に賛同しそうな人物を紹介してもらい、更にその人数を増やしていく。  この3人は、云わばここの幹部たちだ。こいつらの後ろにはたくさんの仲間たちがいると思ってもらっていい」  小池さんの語る理想郷。そんな世界になれば、どんなに良いだろう。これからの僕らの未来に明るい陽射しが射し込んでくる。そんな光景が目に浮かんだ。  ただ、本当にそんなことが成し遂げられるのだろうか?たかが大学生のサークルに過ぎないメンバーで、そんな大それたことが。
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