1.僕の話

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 龍人や戌神の子供は、一般人とは違う中高一貫校に通う。先輩も後輩もいない、同級生のみの6年間を過ごす。  そこで龍人の心得を教え込まれるらしい。選ばれし者であるということ。他の一般人とは違うということ。  これは洗脳に他ならない。  そんな龍人たちの集団で育つと、否が応にも自尊心が高くなる。 『自分は特別な人間』『他の人とは違う』そう考えるようになるのも、自然の成り行きだ。  最上級の龍人たちは、更に自尊心を高め、逆に下級の龍人たちは、周りから虐げられて自分を蔑む。そこには龍人しかいないから。  弱い者たちは、更に弱い者たちに当たる構図ができる。それが、今回僕が殴られた理由だ。  何とも不可解な制度だ。
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