3.大学生活

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 サークル活動に参加して、3か月が過ぎた。その間に、釣り、ハイキング、サイクリングに参加し、僕はすっかりうち解けていた。  そこに龍人はいたものの、その身分を乱用するでもなく、初心者の僕に、丁寧に釣りを教えてくれた。話していると、実は龍人だと分かった。 「でも俺、最下級の龍人だから」  その人は言った。  だから、あまり気にしなくてもいいと。 「こんな制度、無くなってしまえばいいのに」  その人は、そうも言った。龍人なのに。  案外、龍戌制度を意識しているのは、上級に位置する龍人と戌神だけなのかもしれない。それ以外は、普段はそのことを忘れ、日々を過ごしている人が多い気がした。  サークルイベントの掲示板を見ながら、次に参加するイベントを物色していた時、僕の携帯が振動した。  携帯をポケットから取り出し画面を確認すると、小池さんからだった。 『今日の夜、例のバーに来れる?』  久々の招集だった。
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