3.大学生活

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 あっという間に2時間が経過した。みんないい感じに酔い、腹も膨れた。話題はこの3か月にあったサークル活動の話題が中心だった。  僕もすっかり馴染んで、今では大学の仲間も増えた。誰が理想郷を知る相手かは全く分からなかったが、龍人の友達もできた。  小池さんが目指している理想郷ってこういうことかもしれない。ただ、龍戌制度が存在する以上、全く権威を振るわない龍人がいなくなることはなかった。それはこのサークルも同じだった。 「ところで」  小池さんがみんなに話し始めた。 「もうすぐ文化祭があるだろう」  そのことは僕も知っていた。10月の最初の土日。毎年大学をあげての文化祭が開催されていた。  イベントサークルも会員を増やすべく、バーベキューを無料で行ったり、夜は花火大会を企画するなど、毎年参加していた。 「その文化祭で、1つやりたいことがあるんだ」  小池さんがみんなを見渡した。みんな箸を止め、小池さんに注目した。
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