龍戌世界 -リュウジュツセカイ-

3.大学生活

　文化祭までの準備は秘密裏に進められた。僕は必要な物品を購入すると共に、当日の動きを頭の中に叩き込んだ。

　考えれば考えるほど不安に苛(さいな)まれるので、ひとまず身体を動かすことに専念した。石嶺さんは石嶺さんで、自分たちのグループの中でも信頼できる人を選び、準備を進めているようだった。

　織田さんと徳田さんは、あれ以来、イベントサークルにはあまり来なくなった。たまに来ても、僕たちとはあまり喋らず、イベントが終わるとすぐに帰った。

　僕は大学の授業そっちのけで、準備に勤しんだ。肝心の小池さんはというと、いつもと変わらず、サークル活動では精力的に周りを盛り上げていた。

　龍人に物申すのだ。
　ただでは済まないかもしれない。

　それは分かっているつもりだろうけど、小池さんからは微塵も気おくれは感じられなかった。

　そして、来た。文化祭だ。