龍戌世界 -リュウジュツセカイ-

4.文化祭

　大学に着くなり、ありったけのバーベキューコンロと炭を運び出し、さっそく会場設営に取り掛かった。

　いくつものタープを張り、テーブルと椅子を並べた。ざっと50名くらいは、その場でくつろぐことができるだろう。

　他の部活やサークルも様々な展示をするべく、みんな忙しそうに辺りを走り回っていた。小池さんの姿はまだ見えなかった。

　そして文化祭実行委員長の言葉を合図に、文化祭が開始された。僕らは一斉に炭に火をつけ、しばらく網が温まるのを待ち、大量に用意された肉を焼き始めた。

　隣では鉄板で焼きそばを調理し、その隣では飲料の販売が始まった。毎年恒例のバーベキューだ。すぐに客が集まり、僕らは行きつく間もなく、次々と肉を焼いた。

　あっという間に1時間が過ぎると、更に客足は増えた。昼に近づくにつれて、どんどん客が増える。炭は肉から滴る油で激しく炎を上げ、客の食欲を誘っていた。