5.事 変

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「じゃ小池さん、配信録画、開始しますよ」 「修平」  録画開始直前、小池さんが僕の名前を呼んだ。 「ありがとな」  そう言って、小池さんは微笑んだ。  今まで付いてきたことに対してなのか、ここまでの準備に対してなのか、その『ありがとう』の詳細は分からなかった。  僕はその言葉を聞き、根拠のない不安を感じたまま、RECボタンを押した。  画面の右端に『REC』の赤文字が点灯した。それを確認し、僕は撮影室を出た。放送機器に座っていた同じサークルの仲間たちも、席を立つと放送室から出ていった。  最後の1人が出ると、中からガチリと音がした。
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