Do NOT call the police!!

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「その注射器……どうするつもりですか」  土佐は顔を真っ青にしている。  鬼頭は怒鳴った。 「連日報道されてるだろ、そいつが例の連続殺人鬼だ!」  土佐は血の気が引いた。  連続殺人鬼? どこにでもいそうなこのオバサンが? 「覚悟しなさい、DV野郎に盗撮野郎!」  斉藤の罵声を浴び、土佐は唇を噛んだ。  盗撮野郎。不名誉ながらこの呼び名は事実だ。  俺は店の女子トイレを盗撮して裏サイトに流していた。  二年間、小遣い稼ぎは順調だった。  ところが、トイレの扉に掃除チェック表と共にかけていたボールペンを盗撮グッズだと見抜いた女性客がいた。  震えながら訴えてきたのが先週の出来事だ。  俺は店長に報告すると言ってペンを回収し、破棄した。  証拠がなければ警察は動けない。  だが、さすがに盗撮は続けられなくなった。  女性客から店宛てに「盗撮の件はどうなったか」と電話も入ったらしい。  イタズラ電話だろうと店長を言いくるめたが、疑われるのは時間の問題だ。  その前に店を辞めなければならない。  そんなとき匿名の連絡が来た。 『盗撮の元データをすべて売ってほしい。報酬は100万円。』  捨てる神あれば拾う神ありと、俺はすぐに飛びついた。  今日のシフト終わりに公園で落ち合ってデータを渡すはずだった。  まさかあのメール、この女が仕掛けたのか……?  じゃあ、俺の百万は?  いやそれより、あの注射器だ。  この女、ここで俺を殺すつもりなのか?
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