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ダッシュビーンズという豆と、ハチの名前を一緒にしたそれは、少し間抜けな言葉にきこえた。
俺は、師匠が組み立てた計画通りに、修行をこなしていった。
たまに好物の豆をとりにいかされたり、酒を買わされたり、雑用を押し付けられる事があったが、
「こんなの弟子のする事なのかよ」
「がはは! たりめーだろ」
「嘘だぁ」
「なんだぁ、ボウズ。思ったようにかまってもらえなくて、むくれてんのか?」
「んなわけあるか! ばーか、くそじじい!」
誰かに教えてもらって修行する事は、効率がよかった。
ダッシュビーは各地を歩いて、気ままに旅をしているらしい。
だから、必然的に俺もそのたびに同行する事になった。
すると、各地で吸血鬼と対峙する事が多くなった。
成長した俺は、かつては敵わなかったそいつを、着実に殺していく事ができた。
これなら、仇の吸血鬼も殺せるだろう。
そう思えていた。
けれど、現実は非情だった。
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