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側に居たならそれでいい。
典子はスケッチブックに描いてある栄之助の絵にいたく感動し、父である憲一に電話をしていた。
憲一
「 よぉ! お久しぶりです。 元気かよ?」
相変わらずな父 憲一の声だった。
私はスケッチブックに関する想いを父に話しだした。
憲一
「のりちゃん。俺にシャメして画像で送れよ!
見たいからさ。 頼みます。」
豪憲に話しをして承諾の上で動画にした。
憲一
「 ありがとう御座います。 拝見します。」
相変わらず。 律儀な父だ。
そして。。。 その夜。。。
憲一は妃香里とソファーに寄り添い合うように
座り 携帯画像を観た。
桜をモチーフにして色々なメッセージ性を持つような絵に見えた。
ボールペンで全て描いてある。。。
憲一
「 親父らしいなあ。 懐かしい。。
病室で描いていたやつだわぁ。。
やっぱり 渡したかったんだなぁ。。。 」
妃香里は憲一にそっと触れる。。。
眼から自然に雫が落ちてゆく。。。。。
憲一
「 親父 なんで、 独身だったんだろ。。 」
妃香里
「 栄ちゃんに聞いても話してくれないよ。
でも、、、 愛じゃないかなあ。。
恋より ずっと深く愛を選んだんだね。」
動画が終り、一枚のシャメが届いた。。。。。
妃香里はそのシャメを見て大号泣だった。。。
桜の木下には、櫻子さん。栄之助の間に憲一が
描かれていた。。。。。
まるで家族のように。素敵な笑顔の絵。。。
憲一の携帯を持つ手元がやや震えた。。。
「 親父はバカ野郎。。。 バカ野郎だな。
妃香里。。 俺だってバカ野郎だからさ。。
ずっと側にいてくれよな。。
それだけで いいからさ。。」
妃香里はうんうん 頷いて。。。。。雫をこぼした。
栄之助は病室で妃香里に話した事がある。
「 憲一はバカ野郎だけどさ。側にいてあげて
何もしなくていい。。ただそれだけでいい。」
ふと 思い出した。
ホントに 親子 そっくり♡♡
栄之助の密かな夢。。。のおはなし。。
皆様。お付き合いをありがとうございました。
m(_ _)m ひろ
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