客人

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昔、昔のことじゃっ……。 時は2✕✕✕年、○月8日のことじゃった。 写真を撮る事が趣味のワシは、時間が空くとスマホを持ち、曲がった腰を伸ばしては写真を残していた。今回は望み通りの角度で撮れた。これはアップするしかないと思い画像を上げてみる。 すると数時間後に見知らぬ方が、先程あげた画像をRTしてくれた。嬉しく思い、その方の素晴らしいと思う画像をRTした。よく撮れた画像に、いいねをくれた身も知らぬ方にも同じように素晴らしいと感じた物にいいねやRTをしていた。 ある昼の時、ドアをどんどんと叩く音がした。また何かの勧誘かと思いながらも 「へい、お待ちください。 」 そろりと引き戸を開けると、ぞろりと並んだ男達は一斉に声を上げた。 「お世話になりましたリツです。しばらく、ここにおいてもらいたい。」 数えて五人ほど。細い者もいれば、ふくよかな者もいる。その者たちは、荷物をおろし大量の汗をかいていた。荷物にもたれかかるも後ろに倒れそうなさまを目にしたワシは思わず声をかけた。 「ここは狭い部屋じゃが、お前様達が横になるスペースは物をどかせばなんとかなるじゃろう。もし入らなければ納屋がある。こんなところでよければ、ゆっくりしておいでなさい。」 その言葉を聞くと、滴る汗をタオルで拭きながら皆一斉に 「ありがとう 」と笑っていた。
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